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松坂世代最後の現役選手・和田毅43歳は、なぜ年々進化できるのか? 2年前に起きた体調の変化「登板日の朝に限って…」 

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君塚麗子

君塚麗子Reiko Kimizuka

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photograph byKiichi Matsumoto / Takuya Sugiyama

posted2024/04/11 11:00

松坂世代最後の現役選手・和田毅43歳は、なぜ年々進化できるのか? 2年前に起きた体調の変化「登板日の朝に限って…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto / Takuya Sugiyama

――食後血糖値178mg/dLというのはかなり高いと言えるのでしょうか?

山田 食後血糖は70~140mg/dLが正常値とされていますので、178mg/dLはかなり高いと言えますね。

和田 この数値は糖尿病レベルだと先生に聞いて、これはまずいと。糖質の摂り方はもちろん、繊維質、たんぱく質、脂質などについても教えていただいて、食事の摂り方全般を変えていきました。

――具体的にはどのような食生活に変えたのですか?

和田 実は、もともと妻が低糖質の食事を心がけていて、ロカボ(5)の商品もよく購入していたんです。ですので、僕が炭水化物中心の食事を止めて、家での通常の食事を一緒に摂ることに。普段の食事は基本的におかずや野菜を中心に、ご飯を最後に食べるということにしました。ご飯に関しても、それまでは「アスリートは白米の方が良いだろう」と、あえて白米を食べていたんですけど、玄米や雑穀米に変えました。

山田 玄米や雑穀米自体が低糖質というわけではないのですが、白米に比べて食物繊維やたんぱく質などが多く含まれています。純然と糖質を摂るよりも、それ以外の栄養素が入っている方が血糖値は上がりにくくなります。食べる順番に関しても、食物繊維やたんぱく質や脂質を先に摂ることによって血糖値の上昇を抑えられるので、糖質(ご飯)は最後に、というお話をしました。

和田 以前は「いただきます」と言ってまず白米、という感じだったのですが、今はもう怖くてできなくなりました(笑)。サラダなど野菜を食べて、おかずを食べて、時間が経ってから、そろそろいいかな? という感じでちょっとずつご飯を食べています。

山田 素晴らしいです! あと、和田さんはもともと油っぽいものがあまり得意ではないということだったんですけど、揚げ物やバターやマヨネーズなど脂質の多いものを控えないといけないと思っているアスリートの方が多いのですが、これは間違い。むしろ脂質は血糖値の上昇を抑える効果があるので、できるだけ摂った方が良いです。

カーボローディングを止めて体調が劇的に変わった

――山田先生に食事の相談をしたのが'22年のオフ。そこから食生活を変えて、昨年、'23年のシーズンは体調に変化がみられましたか?

和田 劇的に変わりました。普段の食生活を変えて、さらに登板前日のカーボローディングも止めて。以前のように、朝起きて体の重さを感じるとか、布団から出られないということは一切なくなりました。あと、足が攣らなくなったことにも驚きました。

【次ページ】 食事を変えてスタミナが上がった実感が

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