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福岡堅樹や松島幸太朗と一緒にW杯で見たかった…ラグビー黄金世代“消えた天才”の今「エディーが惚れた才能」「先輩も驚いたブレイクダンス」 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph bySankei Shimbun

posted2024/04/02 11:00

福岡堅樹や松島幸太朗と一緒にW杯で見たかった…ラグビー黄金世代“消えた天才”の今「エディーが惚れた才能」「先輩も驚いたブレイクダンス」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

2012年3月、エディー・ジョーンズHCに認められ、当時大学生ながら日本代表に名を連ねた竹中祥

 それでも、復帰するたびに竹中はインパクトを残した。

 大学3年のシーズン、復帰戦となった大学選手権の日大戦では後半から途中出場し、短いプレー時間で2トライ。4年のシーズンも後半に投入されるインパクトプレーヤーとしてトライを取り続け、大学選手権の明大戦では60mを豪快に走り切る、あの日を彷彿とさせるようなトライもあげた。

 筑波大を卒業後はトップリーグのNECグリーンロケッツへ。1年目は大学時代の古傷治療に専念して出場ゼロに終わったが、2年目は2試合に出場、3年目の2017年度は7試合に先発して1トライ。それまで下位にくすぶっていたチームも4年ぶりに上位(最終順位は8位)に浮上した。2018年度も、6月の「みなとラグビーまつり」でワラタス戦に先発。スーパーラグビーの強豪を29-26で破る金星の一因となった。大器の覚醒は近づいていたはずだった。

 同じ頃、2019年W杯日本大会では松島が日本代表最多の5トライをあげ、4トライをあげた福岡とともに日本代表の8強進出に大きく貢献した。4年後のW杯ではそれ以上の成績を。そのときにはもうひとりの同級生も活躍を――そう思ったファンもいただろう。

 だがW杯の後、2020年1月に始まったトップリーグはコロナ禍によりシーズン途中で打ち切られ、そのシーズン終了後、竹中はNECから戦力外通告を受けた。

(続く)

後編では「戦力外通告」の真相、そして竹中を襲ったさらなる悲劇に追っている。

#2に続く
戦力外通告→所属チーム不祥事が発覚…天才ラグビー選手を襲った苦難の連続「幸太朗と順平のW杯はバイトしながら見た」「引退の連絡はしていない」

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