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「福男」は1年後、どうなってる? 昨年の「一番福」に聞いた<幸せですか?>「フルーツやお米をもらって、阪神優勝…ラッキーしかない」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/01/10 06:00

「福男」は1年後、どうなってる? 昨年の「一番福」に聞いた<幸せですか?>「フルーツやお米をもらって、阪神優勝…ラッキーしかない」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

一番左でソフトバンクのユニフォームに身を包み、駆け出す昨年の一番福・植本亮太。その後、社会人野球の道に進んだ植本選手に話を聞いた

「大学の先輩にあたる阪神の小野寺(暖)選手からは『お前、阪神ファンやんけ!』って。他にも(当時)オリックスの近藤(大亮)投手などから沢山連絡をいただいて嬉しかったです」

まさかの始球式に登板

 そのソフトバンクからもサプライズが届く。見知らぬ番号からの着信に恐る恐る出ると、球団からの始球式のオファーだった。あれよあれよと企画が進み3月19日、DeNAとのオープン戦のセレモニアルピッチで気付けばpaypayドームのマウンドに立っていた。

「すごく嬉しかったですね。甲子園とはまた違った特別感がありました」

 1月10日を境に嬉しい出来事がどんどん舞い込んできた植本さん。では、“本業”の方はどうだったのか。卒業前の1月下旬から広島市に本拠地を置くJR西日本の練習に合流。新社会人としては、「中国統括本部駅業務部」に配属され、広島駅や山口駅など主に新幹線の停車駅での業務に取り組んだ。“福男効果”はここでも現れた。

あだ名が「福」に

「野球部でもみんな『福男』のことを知っていてすごく歓迎してもらいました。名前は植本なのに『フク(福)』って呼んでもらって(笑)。新しい環境でも苦労したことは特になかったです」

 実戦では主にDHで起用され、3月下旬に行われた広島県野球連盟の全チームが集結する大会ではいきなり「敢闘」賞を受賞。8月に行われたJRグループの大会では7打数4安打と活躍して首位打者となった。極めつけは、社会人野球の二大大会である7月の都市対抗野球大会。初戦のパナソニック戦で「5番・DH」で先発に抜てきされ、3点を追う9回2死走者なしの場面ではセンター前ヒットを放つなど奮闘した。

「スタメンで使っていただいたことが本当に嬉しかったし、大舞台で1本ヒットを打てたことも自信につながりました。今年は特にバッティングが良くて、練習でも低くて強い打球を打つこと、常にヒット性の打撃を意識して練習に励むことができたと思います」

脚ではなく…バッティングで成果が出た

 その韋駄天で「一番福」を勝ち取った植本さんだが、意外にも今シーズンの公式戦での盗塁数は「2」。選手としては俊足が一番の売り、と言うわけではないのだという。

【次ページ】 プロ野球選手からバットのプレゼントが

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