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リバプール南野拓実、待望の初ゴール!解説の水沼貴史氏&現地メディアも賞賛。今季初タイトル逃すも、新シーズンへ弾み。 

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photograph byAndrew Powell/Liverpool FC via Getty Images

posted2020/08/30 07:00

リバプール南野拓実、待望の初ゴール!解説の水沼貴史氏&現地メディアも賞賛。今季初タイトル逃すも、新シーズンへ弾み。<Number Web> photograph by Andrew Powell/Liverpool FC via Getty Images

リバプール移籍後初ゴールを挙げた南野拓実。新シーズンへの期待が膨らむ一戦となった。

 現地時間29日、プレミアリーグ2020-21シーズン開幕に先駆けて行われたFAコミュニティー・シールドで、リバプール南野拓実が待望の移籍後初ゴールを挙げた。昨季のリーグ王者にとっても今季の公式戦第1号となった。

 昨季のリーグ王者とFA杯覇者が激突するワンマッチ。試合はカップ戦王者・アーセナルが先制した。12分、右サイドのサカが逆サイドへ大きく展開すると、左サイドで待ち受けていたのはエースのオーバメヤン。中央へ持ち直し、得意の角度からリバプールGKアリソンの手をかすめるように右サイドネットを揺らした。

 一方、リバプールの強力3トップは沈黙。サラー、マネ、フィルミーノを中心に攻撃を組み立てるが、アーセナルの中央を締めた固い守備を崩せず、見せ場なく前半を終了。後半立ち上がりからフィルミーノのスルーパスなどでチャンスを作るものの、なかなか決定機を作れず、アーセナル1点リードのまま試合が進んでいった。

 リバプールのクロップ監督は59分、運動量が売りの中盤のケイタと南野を投入。指揮官から熱心な指示を受けた南野は引き締まった表情でピッチへ入り、配置された左サイドで相手の隙間にボールを受けるなど、劣勢の中でリズムを作り出した。

 すると73分、サラーとのワンツーに反応した南野のリターンが相手DFに当たると、そのこぼれ球は再び「18番」の足元へ。冷静にゴール右隅へ流し込み、試合を振り出しに戻す貴重な同点弾を決めた。南野はすぐさまボールを抱えて自陣へ戻ったが、その表情からは今季に懸ける強い意気込みと安堵の入り混じった表情が窺えた。

 この試合、中継の解説を務めた水沼貴史氏は「南野はフリックもうまいですし、反転からシュートも落ち着いていた。彼にとってもすごく大きなゴール」と評価。また現地テレビ局「スカイ・スポーツ」の採点では10点満点中8点とチーム内最高評価で、「ベンチから登場したミナミノは正真正銘の光る存在感を見せた」と賞賛した。

「自分の特徴を見失わないことが一番大事」

 昨季の冬に途中加入した南野。2019-20シーズンこそチームにフィットしきれず、目に見える結果が残せなかったが、水沼氏はリーグが再開した6月に、NumberWeb連載「水沼貴史のNice Middle!」の中で期待を寄せていた。

「南野が評価されているのは、シュートのうまさ、得点力、ゴールに直結するチャンスメイク、そして守備面でのハードワーク。今はそのベースは忘れてはいけません。チームに合わせようとこれまでと違うことをするのでなく、自分の特徴を見失わないことが一番大事。必ずその先にきっとゴールがあるはずです」

 プレシーズンでも好調ぶりが伝えられていた南野は、まさに勝負のシーズンとなる“開幕戦”で自らの長所をアピールする結果を残した。

【次ページ】 PK戦を制したのはアーセナルだったが。

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