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名人戦第4局、渡辺明二冠勝利。藤井聡太棋聖に4戦全勝中の豊島将之名人と2勝2敗に。羽生善治九段は順位戦で日付越えの大熱戦。 

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photograph by日本将棋連盟

posted2020/07/29 07:00

名人戦第4局、渡辺明二冠勝利。藤井聡太棋聖に4戦全勝中の豊島将之名人と2勝2敗に。羽生善治九段は順位戦で日付越えの大熱戦。<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

名人戦を2勝2敗のタイに戻した渡辺明二冠(別日撮影)

 7月27、28日、第78期名人戦七番勝負第4局が東京の「ホテル椿山荘東京」にて行われ、渡辺明二冠(36)が101手で豊島将之名人(30=竜王と合わせて二冠)に勝利した。

 豊島名人は史上初となる平成生まれのプロ棋士。プロ3年目である2009年度には将棋大賞の最多勝利と勝率1位賞を受賞。翌2010年度には20歳にして第60期王将戦で自身初のタイトル挑戦を果たし、同新人賞を受賞するなど若き日から注目されてきた。

 それ以降はタイトルまであと一歩の時期が続いたが、2018年度の第89期棋聖戦で羽生棋聖にフルセットで勝利し、初タイトルを獲得。そして昨年度は名人、竜王の座を奪取して令和初の「竜王・名人」となった。また藤井聡太棋聖との公式戦成績は4戦全勝を誇っている。

 渡辺二冠も今期の棋聖戦こそ藤井棋聖相手に1勝3敗で失冠したものの、棋王と王将のタイトルを保持。7月13日に開催された第68期王座戦挑戦者決定トーナメントでは豊島名人に勝利し、挑戦者決定戦進出を決めている。

 対局前の時点で過去31回、渡辺二冠の18勝13敗2千日手。2020年時点での“ゴールデンカード”と呼んでも差し支えない一局は、今期の名人戦で初めてとなる相矢倉の戦型で進んだ。

 1日目から手数が進んで攻め合いへの突入を目指す中で、2日目の昼食では豊島名人が「松花堂弁当」、渡辺二冠が「握り寿司(水仙・さび抜き)」を選んで体力を蓄え、勝負の終盤戦に進んだ。

 中継する「ABEMA」のAIでは“豊島やや優勢”の状況が続いたものの、持ち時間は2時間近く豊島名人が消費する展開に。豊島名人が88手目で5三玉とかわしたところで一気に戦況が変わり、渡辺二冠がその好機を見逃さず相手玉を追い込んだ。

 2勝2敗の五分で迎える第5局は、8月7・8日に東京の将棋会館で開催される。なお28日に開催された第79期順位戦A級2回戦、羽生善治九段(49)と佐藤天彦九段(32)の対局は難解な終盤戦となり、日付を超える大熱戦の末に118手で佐藤九段が勝利した。

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